見どころ
シリーズは3-0。王手をかけたドジャースは、ついに二刀流・大谷翔平を先発マウンドへ。崖っぷちのブリュワーズはベテラン左腕ホセ・クインタナを立て、総力戦で一矢報いる構えだ。日本時間18日(土)午前9時38分、舞台はドジャー・スタジアム。投打の微差が勝敗を分ける“1球の重み”が増す10月の大一番、その見どころを整理した。 MLB.com
概要・放送/試合情報
- カード:ロサンゼルス・ドジャース vs ミルウォーキー・ブリュワーズ(NLCS Game4、7戦4勝方式/ドジャース3勝0敗)
- 開始:米国東部時間10/17(金)20:38=日本時間10/18(土)09:38
- 会場:ドジャー・スタジアム(ロサンゼルス)
- 放送:米国内はTBS/truTV/Max(認証条件あり)、国際配信は地域制限あり
- 予告先発:ドジャース=大谷翔平(RHP)/ブリュワーズ=ホセ・クインタナ(LHP)
(※時刻・放送・先発はMLB公式発表) MLB.com
直近のシリーズ流れ(Game1~3)
ドジャースは2-1/6-0/3-1で3連勝。Game3はグラスノーが5回2/3を1失点、打線はベッツの適時二塁打とエドマンの勝ち越し打で最少得点差を守り切った。ブリュワーズは好機で後一本が出ず、シリーズ通算のチーム打撃は極端に低調。**「先に1点」**を取られると巻き返せていない。 ESPN.com+1
見どころ①:大谷翔平の“再発明”—復活したスプリットと球種配分
MLB公式は、このポストシーズンで大谷のスプリットが再び有効球になったと分析。今季はスイーパー/フォーシーム/新スライダーを軸に組み立ててきたが、要所で落差の大きいスプリットを織り交ぜることで三振とゴロを同時に狙える構成に。ブリュワーズはボール球を見極める粘りが持ち味だが、ストライクからボールへ消える球に対応できるかが第一関門だ。 MLB.com
さらに中12日前後の休養で臨む見込み。長いブランクは制球の微調整に影響する一方、球威の回復と球種のキレではプラスに働きやすい。序盤のファストボールのゾーン支配と、追い込んでからのスプリット/スイーパーの見せ方に注目したい。 Reuters
見どころ②:ブリュワーズ打線、極限の“我慢比べ”を破れるか
シリーズ3試合でブリュワーズのチーム打撃は**.101/.165/.180**。レギュラーシーズンでは出塁と機動力で点を積み上げたが、NLCSではドジャース先発陣(スネル/山本由伸/グラスノー)のアウト68に対し、ブリュワーズ先発陣(主にオープナー)はアウト21と短いスパン。序盤から主導権を握られてきた構図がある。今日は先に先制できるかが最大の肝だ。 MLB.com
また、Game3で途中交代したジャクソン・チョウリオは痙攣(右脚)を訴えたが、本人は軽症で出場可能との見解。実際にGame4の先発ラインナップに名を連ねた。若きキーマンがどこまで走塁・外野守備を含め通常運転に戻れるかも、反攻の条件となる。 Reuters+1
見どころ③:ホセ・クインタナの“短期決戦プラン”と継投設計
ブリュワーズは、左ふくらはぎの張りで9月中旬に離脱していたクインタナをGame4に指名。ビルドアップ不足のため、球数・イニングは限定される可能性が高い。従って継投のタイミングが試合の分岐点になる。これまでアッシュビー/ウリベらのリリーフを酷使気味に回しており、ドジャース打線は既に複数回対戦済み。見慣れた球筋に対して2巡目以降の対策も進んでいるはずだ。 MLB.com
見どころ④:ドジャースの“圧”—細部で勝つ野球
Game3ではエドマンの勝ち越し打、さらに相手の牽制悪送球を見逃さず加点。派手さはなくとも、走塁判断/カウント作り/ファウルで粘る等、細部の質で相手を削っていくのが今シリーズのドジャース。僅差の展開ほど、三塁線の打球処理やバックアップまで含めた“基本の徹底”が勝敗を分ける。 MLB.com
見どころ⑤:盤石の救援陣—“沢村賞右腕”×トレイネン×ヴェシア×佐々木の最終盤
昨日投げたヴェシア/トレイネン/バンダ/佐々木はいずれも13球以下。つまりリリーフは総動員可能だ。抑え格として台頭した佐々木朗希、勝ちパのトレイネン、左のヴェシアでリードを“面で”守るのがドジャースの勝ち筋。ブリュワーズが終盤にコンタクト率の高い代打や機動力で揺さぶれるか。 MLB.com
キープレーヤー&個別マッチアップ
- 大谷翔平(LAD):初対戦の多い打者群に対する球種配分が鍵。特にコンタクト型のコントレラスや逆方向にも運べるイェリッチに対し、内外角の見せ球で対応できるか。 MLB.com
- ホセ・クインタナ(MIL):右打者の多い上位(大谷—ベッツ—スミス—フリーマン—エドマン)に対し、インサイドのバックドア/バックフットをどれだけ使えるか。球数管理とゴロ量産で3~4回まで最少失点でつなげればゲームは動く。 MLB.com
- ジャクソン・チョウリオ(MIL):状態次第で守備・走塁の価値が跳ね上がる。1番ターンで走者タランクを作れるか。 Reuters+1
監督・選手の“温度感”
ドジャースは「目の前の一勝に集中」というスタンスを徹底。経験値の高い野手陣が、浮き足立たずに接戦を取り切っている。一方ブリュワーズは「まずは1勝してミルウォーキーへ戻す」という明確な目標設定。重圧を分解して乗り越えるメンタルの持ち方も含め、序盤の主導権が勝負線だ。 MLB.com
今後の展望
ドジャースが勝てば2年連続のワールドシリーズ進出。3-0からのシリーズは歴史的にほぼ勝ち抜け(40/41例で突破・うち31スイープ)で、今日はその扉を一気にこじ開けるチャンスだ。逆にブリュワーズが勝てばゲームはミルウォーキーへ。その先の青写真を描くには、まず先取点とミスの最小化が不可欠だ。 MLB.com
きょうの“速攻”チェックリスト(まとめ)
- 大谷の初回:フォーシームの空振り率とスプリットの見極め
- クインタナの立ち上がり:右打者の内角裁きと打球のゴロ/フライ比
- ブリュワーズの得点パターン:四球→進塁打→一打の再現性
- 6回以降の継投:ドジャース救援の“面圧”にどう対抗するか
- 守備と走塁のミス:一点勝負の試合では1プレー=1点の価値
予告先発の早見表(抑えると読みやすい指標)
チーム | 投手 | 直近の状態・補足 | きょうの焦点 |
---|---|---|---|
ドジャース | 大谷翔平(右) | NLDSで快投→中12日前後で先発復帰。今ポストシーズンでスプリットの有効性が復活の兆し。 | 初回のゾーン支配、追い込んでからの落とし球と見せ球の配合。 |
ブリュワーズ | ホセ・クインタナ(左) | ふくらはぎ明けで球数・回跨ぎに制限の可能性。ショートスターター寄りの運用も。 | 右打者の内角攻め、序盤の最少失点、継投の“橋渡し”。 |
(※状態・運用見込みはMLB公式/通信社報道を総合) MLB.com+1
参考リンク(一次情報/主要メディア)
- MLB.com「Game4 FAQ/先発&スタメン&放送」
https://www.mlb.com/news/brewers-vs-dodgers-nlcs-game-4-starting-lineups-pitching-matchup
(2025/10/17掲載) MLB.com - MLB.com「Game3 レビュー/ドジャース王手」
https://www.mlb.com/news/dodgers-win-nlcs-game-3-2025
(2025/10/17掲載) MLB.com - MLB.com「ドジャース3-0リードの背景」
https://www.mlb.com/news/dodgers-take-3-0-nlcs-lead-over-brewers
(2025/10/17掲載) MLB.com - Reuters「チョウリオ、右脚痙攣は軽症でGame4出場見込み」
https://www.reuters.com/sports/brewers-rf-jackson-chourio-leg-exits-game-3-2025-10-17/
(2025/10/17) Reuters - ESPN(AP)「Game3 3-1/シリーズ3-0」
https://www.espn.com/mlb/game/_/gameId/401809292/brewers-dodgers
(2025/10/17) ESPN.com - MLB.comコラム「大谷のスプリット復活」
https://www.mlb.com/news/shohei-ohtani-s-arsenal-keeps-evolving-in-his-first-postseason-pitching
(2025/10/17) MLB.com - Reuters「Game4で大谷先発、スイープへ」
https://www.reuters.com/sports/dodgers-ask-shohei-ohtani-pitch-them-sweep-world-series-return-2025-10-17/
(2025/10/17) Reuters
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